ペン一本と、メモ帳

好きなものを好きなだけ

なぜ自分はエンジニアでありたいのか

仕事自体は全く忙しくないのだが、人間関係という別ベクトルからのストレスにより食欲不振が促進している。ここ数日の夕食はアイスクリームとスコッチである。まったく栄養的にも健康的にもよくないのだが、他に喉を通るものがないので仕方がない。

会社からある日突然「営業に転向してほしい」と言われた気がする。
気がする、と曖昧な書き方をしたのは、上長から明確に指示されたわけではなく「にる君には来月から営業の仕事やってもらおうと思ってるんだよねー」くらいの漠然とした社内メッセージを受け取ったからである。

ソフトウェアエンジニアとしての人生を歩み始めてから10年ほどになる。仕事をしていたのは7年くらいだが、それ以前から学校でプログラミングを学んでいたので、卒業後エンジニアとして就職するのは当然といえば当然であった。

しかし、こうして別業種への転向を言い渡されかけている今現在、改めて自分がなぜエンジニアで有りたいのかということについて考えてみることにした。なぜ営業はダメでエンジニアがいいのか。いままで自分は漠然とエンジニアとしての道を選んでいただけで、実は他の業種でもよかったのではないだろうか?例えば接客業とか、その他の職種を選択しなかったのはなぜなのか。そんなことを帰宅がてらに考えていた。

そもそも自分は元からエンジニアになりたかったのか?

エンジニアを志したのは専門学校でプログラミングを学んでいたころであるが、当時はゲームを作りたくて、それだけでプログラミングをしていた。だが卒業後、ゲーム会社への就職の道が絶たれ、残ったのはSES企業という選択肢であった。SES企業での経験は、嫌なこともあったが、エンジニアとしての経験を積むという意味ではそれなりに有意義であったと思う。遠回りで、無駄にした時間もあったが、結果的にはそれなりに即戦力として活躍できるスキルと経験と自信を持つことができたのだから。

それに、私はエンジニアとしての自分を気に入っているのだ。何かを考えて作っている間は楽しいし、自分や誰かのアイディアを目に見える形で実現するのは有意義に感じる。それになにより、コードを書いている間が人生で最も楽しい。

というわけで、いまさら別業種というのはいまのところ全く考えていない。会社からもし「営業をやれ」と言われたら躊躇なく退職を申し出るつもりでいる。心残りは今年から始めた新プロジェクトが未完成に終わることだが、今となってはそれも仕方がないのかなという気がしている。

かつて私はゲーム会社に努めていた友人とスマホゲームを作っていた。それは、友人が鬱になり地元に帰ったことで企画は中断してしまった。それ以前にもなんどか個人でゲームを作ろうとした経験があるが、すべてメンバーの途中離脱などの理由により志半ばで頓挫している。今回の新プロジェクトも、企画はほぼできてあとは本番実装という時点で頓挫しそうなのである。ああ…全く自分は人生で何も成せていない。自分の人生もこのまま何も成せずに終わるのかもしれない。

そんな事を考えていたが、何も完成物はないものの技術は裏切らないと思っている。それなりの経験年数もあるし、コードは読めるし、知らない言語でも数日あれば使えるようになる。これはもはや天職といってもいいのではないだろうか。

営業の仕事だって、やろうと思えばできるのだ。前職では営業に近いこともやっていたし、できないことはないのだが、もうスーツを着る仕事はしたくないと、自分の中で決まっている。それに適応障害を発症してから、人に会ったり営業スマイルを維持することが難しくなっている。できないことはないのだが、やったあとはものすごく疲弊するようになった。そういう体調面も顧みて、なんとしても営業の仕事は回避するつもりでいる。

さて、結局なぜ私がエンジニアとして仕事をしたいかというと、やっぱり自分のライフスタイルに合っているということと、なによりコードを書いている間が楽しいということに尽きる。一度きりで短い(と勝手に思っている)人生、できるだけ楽しいと思える仕事をしていきたい。我慢して似合わないスーツを着るよりは、私服でだらーっとしながらキッチリと保守性と可読性の高いコードを仕上げるのが生きがいの半分なのである。

だから自分はエンジニア以外になるつもりはない。このスキルは他の会社でも活かせるはずなので、もう少し様子を見つつ転職活動をしていこうかなと思った次第である。

リーダブルコード ―より良いコードを書くためのシンプルで実践的なテクニック (Theory in practice)

リーダブルコード ―より良いコードを書くためのシンプルで実践的なテクニック (Theory in practice)

入門 Python 3

入門 Python 3