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【読書感想】「銀河ヒッチハイクガイド」を読んだ

今更だけど、有名なこの本を読んでみた。なぜ今更読む気になったかというと、某まとめサイトで取り上げられていて気になったから。そして今まで読んでいなかった理由は、特に気にならなかったから。本を読むきっかけなんてだいたいどうでもいいことだったりする。人から強く勧められても気が乗らないのに、たまたままとめサイトで見かけたから、という理由で買ったりする。

「銀河ヒッチハイクガイド」シリーズは全部で5冊あるけれど、自分が読んだのはまだ1冊目だけなので、とりあえず最初の1冊の感想だけを書いておく。

まず具体的なあらすじを説明すると、冒頭でいきなり地球が破壊される。そして、たまたま生き残ったイギリス人の主人公が、宇宙人の友人と一緒に宇宙船をヒッチハイクしていろんな惑星にいく、みたいな感じだった。
典型的なスペース・オペラで、内容はとにかく色々ぶっ飛んでる、というのが最初に読んだときの印象だった。そして、宇宙の心理が42とか色々なところでネタにされているけども、自分がこの小説の中で気に入ったのは、主人公の性格と、マーヴィンというロボット。

主人公のアーサー・デントは、典型的イギリス人で、いつもくよくよと思い悩んでいるちょっと頼りない人物。地球が破壊されたと知ったあとも「あのさ。ちょっとショックなんだけど」というリアクションをするあたりが特に気に入った。特に目立つ活躍をするわけではないけれども、地球人の生き残りということで地味に重要なポジションだったりする。宇宙でヒッチハイカーとして生きていくには頼りない性格だけど、巻き込まれて仕方なくそうなってしまった、でもなんとなくうまくいってしまう。そんなあたりに好感が持てた。

マーヴィンは、主人公がヒッチハイクした船に乗っているロボットで、高すぎる知能が仇になって鬱病になっている。宇宙船のドアと人生を憎悪していて、常に根暗な言葉を口にする。なぜかこのロボットには親近感が湧いてしまった。根暗で鬱陶しいけど、こいつは嫌いになれない。

そういえば、タイタンフォールというゲームに出てくるロボットの名前もマーヴィンだったけど、元ネタはこれだったんだろうか?タイタンフォールのマーヴィンは鬱ではないし、喋るわけでもないただのお手伝いロボットだったけども。

銀河ヒッチハイクガイドは映画版も出ているので、そのうち見てみようと思う。 もともと小説を読もうと思ったきっかけが、映画の1シーンの画像が貼られていたのを見たからなので。「いつか機会があれば見る映画リスト」に追加しておく。

銀河ヒッチハイク・ガイド (河出文庫)

銀河ヒッチハイク・ガイド (河出文庫)

ハイ・ライズの感想(映画&小説)

先日、ふと思い立って「バーナード嬢曰く。」を再読し、作中で紹介されていて気になった「ハイ・ライズ」。Kindle版の小説を買って、読み終えてすぐに映画をレンタルで見ました。思い立った時にすぐ見られるAmazon超便利。

小説版の感想(ネタバレなし)

住民たちが野生に帰って暴れまわるだけの話なので、ネタバレというほどのものはなし。 完結に書くと、すごくおもしろい…というわけではない本でした。全体的に鬱屈とした雰囲気だし、舞台は荒廃したマンションだし。
読んで最初に思ったことは、「どうしてそうなる!?」でした。住民は知的な専門職についている人たちなのに、生活モラルはない。マンションの設備は入居してすぐに故障しまくる。
これは現代の視点から見るからそう思うのであって、もしかしたら、書かれた当時(70年代?)のテクノロジーでは、40階建てのマンションのインフラなんて、電気も水道も信用できないレベルだったのかもしれないと解釈。現代には2千人以上住んでるマンションなんか余裕でありますけどね。
それと、イギリス特有の階級社会がマンション内で作られていて、下層と上層でのいがみ合いが発生するところまでは分かる。しかしそこから生活が崩壊していくのに、住民のほとんどがその状態に適応しようとするところが意味不明だった。なんでそうなるんだ、と。そもそもベランダからゴミを捨てるのはないだろう、と。上流階級の人がなんで生活モラルだけ底辺なんだよ、と。
リアルに階層による階級…というか、暗黙の了解的な格差はありそうですが、仮にあったとしても心理的な嫌がらせにとどまるでしょうね。そもそも警察沙汰になるし。しかし作中ではなぜか住民が一致団結して警察をマンションに近づけないようにしています。 なぜかしだいに荒廃していくマンション。そこの描写はちょっとおもしろかった。

しかし犬がひどい目にあうことが多いので、犬好きの方にはおすすめできない。というかどんな人にもおすすめすることはないであろう本でした。

登場人物が多いので、メインの3人以外どれが誰だかわからなくなるときが度々あった。こういうとき、KindleX-Rayは本当に助かります。すぐに人物名検索できるし。
関係ないけれどもその昔、フィリップ・K・ディックの「ユービック」を読んだのだけれど、あれも登場人物多すぎてKindleじゃなかったら絶対に読了できなかっただろうと思う。基本的に人の名前が覚えられない…。
しかしあとがきを読んで、原書でもワイルダーの妻の名前が途中で変わっていたりしたそうなので、あれだけ人物が出てくると作者も覚えてなかったりするのかもしれない、とちょっと安心したりもしましたw

少々脱線したけれども、巨大なマンションという閉鎖空間での暗黙の了解から始まるディストピア的な舞台設定は面白いと思えたので、グロいものとか汚いものが平気な人なら読んでみるといいかも。

映画版の感想(ネタバレなし)

小説の感想を探していたら映画の感想を見てしまって、ルーク・エヴァンスが出てるから見てみよう、程度のノリでAmazonでレンタル視聴しました。「ホビット」見てから好きなんですよね。ワイルドな見た目もかっこいいけど声が特にいい。映画は評価が微妙なのでレンタルするかかなり迷いました。エヴァンスが出てなかったら多分見ることはなかったでしょう。

小説版と内容はほぼおなじ。ところどころ変わっている部分はあるけども、ほぼ原作どおりと言っていいです。
ただ、映像と音だけで説明がないシーンが所々にあるので、映画のみを一回見ただけだとわかりづらいかも。かっこいい絵を作るのに力入れすぎて説明不足な感じがありました。

60年代、70年代のイギリス車でいっぱいの駐車場、いいです。すぐに荒廃するけども。
主演のトム・ヒドルストンは「ミッドナイト・イン・パリ」で知ったけど、かなりの肉体美でしたね。崩壊したジムで無表情で筋トレしてるあたり、ラングのクレイジーさが顕著に表現されていた感あります。

ネットで感想を漁ったところ同じような感想をちらほら見かけたのですが、この映画を人にすすめることは決してないでしょう。肌色多いし、知性はないし、突っ込みどころ多いし。

映画の内容とは関係ないのですが、自分はなぜか高層マンションが苦手です。20階以上の巨大マンションを見ていると何故か吐き気がしてくる。これ、誰にも理解されたことないんですけど何なんでしょうね。あの建物に大量の人間の生活が詰まっていると想像すると吐き気がしてきます。
自分は、たとえ停電とか水道トラブルがなくても高層マンションには絶対住めないだろうなぁとは改めて思いました。

読書ノートに「本読むEDiT」を。

知人にお勧めの本を訊かれた際、それなりに本は読んでいるはずなのに無難なものしか思いつかなかったのが悔しかったので、より記憶に留めておくために読書ノートをつけようと思い立ちました。

今まで読書ノートは普通の無地ノートに数冊書いたことがあるのですが、結局続きませんでした。この読書ノートはちゃんと読書ノートにすためのテンプレートがあるので、ただのノートよりは書きやすいかと思います。ちょうど今年使っている手帳もEDiTだし…。

紙質はいい感じで、万年筆でもボールペンでも裏抜けせず、なめらかに書けます。 しかし自分が持っている万年筆では太くて少し書きづらかったので途中からボールペンで書いてます。 f:id:nil-fell:20150509185211j:plain

レイアウトは、タイトルや作者名の他に購入した店舗の記入欄もあります。
  感想とキーワード、それに引用を書くところが分かれているのが便利です。特に引用文。じっくり考えて、読み返してから書く必要があるので印象に残りやすいと思います。後からノートを読み返した時にどんな内容だったか思い出すのにも役立ちそうですね。

詳細は公式サイトを見た方が早くて綺麗です。
EDiT デイリープランナー エディット | MARK'S DIARY | EDiT2015

表紙は水色が欲しかったのですが、店頭になかったので黒で。ハードな表紙がちょっと高級感もあり良い感じです。 f:id:nil-fell:20150509185349j:plain

部屋には買ったもののまだ読んでいない本と何度も読みたい本が幾つかあります。一度読んだものも、改めて感想を書くのもいいかと思うので読んだ順に記入していきたいですね。ついでにたくさんあるペンも片端から試していきたいなんてサブ目標もあります。
さて、1年で何冊読めるだろうか。

ついでに最近買ったライトノベルが久々のヒットだったのでリンクも貼っておきますね。神社好きの方におすすめです。