ペン一本と、メモ帳

好きなものを好きなだけ

軟骨ピアスを病院で開けた

私の耳には今4つ、ピアスが開いている。「人生で最も憂鬱だ」と思う度に開けている。

イヤーロブは左に二つ、右に一つ、それぞれ市販のピアッサーで自分で開けた。左右で若干位置がずれているし、右の耳にいたってはすこし曲がっているのだが、正直耳たぶは柔らかいのでそんなに気にならない。しかし、軟骨は曲がったらものすごく目立つ。 流石に軟骨はピアッサーでは開けられないし、自力でまっすぐ開けられる自信がなかったので人生で初めて美容外科に行ってきた。

軟骨ピアスをニードルで開けてくれる病院をネットで探して行った。予約必須なので電話して予約。

で、受付を済ませて受診票に病気の有無とか色々書いて、ピアスを開ける位置をマーキングしてからいざ診察室へ。

診察台に横になって麻酔されるのだが、これがめっちゃ怖い。そもそも人生で麻酔された経験がない。あと麻酔がかなり痛い。これなら自力で麻酔無しで開けても大差ないのではないかと思ったほどである。

でも終わってしまえば何のことはなく、実際にピアスを通すときも何の感覚もなかったのでやっぱり麻酔してもらってよかったのかな…という結論に至った。麻酔しているので感覚はないのだが、耳なので穴をあけるときの音が怖い。ぶつ、ぶつっと音がする。でも感覚はないのでじっとしていれば大丈夫。

価格は、ピアス代と化膿止めの軟膏込みで1万円ほどだった。自力で開けると千円程度と考えるとかなり高いのだが、結果的に病院で開けてよかったと思っている。

やっぱりなれている医者に開けてもらうと確実に曲がらないし、トラブルになる可能性も低いので安心だからだ。もっと価格の安い病院もあったのだが、そこはニードルではなかったのでやめた。色々調べたけれども、軟骨をピアッサーで開けるのは治りが遅いのでよくないらしい。

そんなわけで左のヘリックスに一つ、またピアスが増えた。別にこれで憂鬱が消えるわけではないのだが、鏡を見る度にちょっとだけ満足感がある。ホールが完成したらどんなピアスをつけようか、今から考えるのも楽しみである。

最近見た海外ドラマの話

「ウエストワールド」という海外ドラマについて今回は書いてみる。

あまりに暇だったのでシーズン2まで一気見した。感想はというと「深いようでそうでもない、なんか雰囲気かっこいいSFっぽい作品」である。
もう少し具体的に書くと「人間そっくりのアンドロイドが自我を持って云々」という話である。

タイトルの「ウエストワールド」というのは、アメリカの西部開拓時代のこと。いわゆる西部劇の世界に入って、ゲームのようにクエストをこなしたり、冒険したり、無双したり、現実ではできない犯罪行為の数々を体験できるというアトラクションがウエストワールドである。このウエストワールドの管理者、プレイヤー(ゲスト)、西部劇内でのキャラクター(ホスト)の視点で物語が進んでいく。

…なのだが、現実世界とウエストワールド世界でストーリーが同時進行する上に、時間軸もバラバラなので難解である。ホストは、ゲストに殺されたり、シナリオ上の都合で死んだりするたびに記憶がリセットされるので、ループもののような演出もある。(本気で見る回を間違えたのかと思ったことが二度ほどあった)
さらに登場人物の精神世界も度々出てくるのでもうどれが現実なのかわからなくなってくる。後半になるにつれて哲学的な内容も入ってくるので、難しい話が苦手な人にはおすすめできない。人間もアンドロイドも次々死ぬのでグロが苦手な人にもおすすめできない。あと人形、生身を問わず全裸が多いので、家族の前で見るのもおすすめできない。

じゃあどんな人におすすめなのかというと、グロい海外ドラマが好きな人か、アメリカの西部開拓時代に関心のある人、といったところか。見終わってから知ったのだがこのドラマ、アメリカではかなり人気らしいが日本ではほぼ知名度がないらしい。納得である。だってアメリカ人が好きそうな内容しかないんだもの!一応、シーズン2では「ショウグンワールド」という日本の江戸時代をモチーフにしたテーマパークがでてきて、日本人の役者さんも出てます。突然の日本語にちょっと笑いました!w

筆者は当初、ウエストワールドはVRのようなものだと思っていたのだが、どうやら実物の島(?)に街を作りそこにアンドロイドを配置して、ゲストに壊されるたびに地下にある施設で修理して…という設定らしい。しかも街はいくつもあり、砂漠も草原もあり、ネイティブ・アメリカンが住む荒野がありと、とんでもなく広い。実際にやったらアメリカの国家予算の数年分は軽く消費しそうなので、作中のようにいち民間企業ができるとは思えない。
あと100年前のリボルバー拳銃とマシンガンの威力が同じなのはおかしい。

そしてメインシナリオは「人間におもちゃにされていたアンドロイドに自我が芽生えて、人間に復習するようになる」というよくある感じのやつである。ブレードランナーをテレビドラマ2シーズン分に薄めた感じの話なのだ。はじめは人間だと思われていた人物が実はアンドロイドだった…みたいな描写も見たことあるし…。

ツッコミどころは色々あるのだが、このウエストワールドを運営している会社の雰囲気がどことなくSCPっぽくて良い。特殊部隊も持ってるし。
世界に公表できないテクノロジーを大人数の企業が運営してるというのが厨ニ心にヒットしてしまう。しかも作っているのが人間そっくりのアンドロイドという絵面が、なかなかグロテスクかつ神秘的で良い。しかもCGではなくちゃんと実物模型を使っているところも、ドラマの割に見応えがある。

それと、ウエストワールドに遊びに来たゲストの行動はリアルっぽくて良かった。はじめは善良な行動をしているが、世界に慣れてくると次第に残虐な行動に出るようになる辺りが。

そして役者さんたちの演技がすごい。特にドロレス(ヒロイン)役の人。
メンテ中のアンドロイドの無機質無表情から、日常生活での自然な表情、反逆を決意したときの怒りの表情など、とにかくコロコロ変わる。すごい。あとアンドロイド役の人は皆服を脱ぐ。役者根性がすごい。

と、細部は凝っていてキャストも豪華で見ていて楽しいのだが、最初にも書いたように時系列と視点が入り乱れるので理解は難しい。しかも「人間に反逆するアンドロイド」という使い古されたネタなので、SFに慣れてる人には物足りないと思われる。

上記の理由から、人におすすめするのは非常に難しい。直接すすめることができないのでこうしてブログに書いている。もし、とんでもなく暇な人がいたら見てほしい…くらいの作品だった。

「読書体験」は言うほど重要か?

紙の本or電子書籍という対立構造は世間で頻繁に議論されているし、何ならすでに「紙の本のほうが記憶に残りやすい」という研究結果もある。ということで物理本のほうが優れているというのは世間一般的な認識である。

……であるのだが、私としては場所を取らない電子書籍のほうがいい。
そもそも物理本を推している人の言い分の一部である、「ページをめくる感触が必要」とか「読んだページの厚みを実感できる」などに全く共感できないからである。

これは私のスキゾイド気質の一部が原因なのかもしれないが、「体感」をあまり重要だと思っていない。本を読んだ後にページの感触なんて覚えていないし、本の重みなんてのも記憶にない。やはり本の本質(なんか変な言葉w)は内容なのである。どこで読んだとか、何をきっかけで読んだとか、誰が書いたとか、その類の情報は本の内容とは全く関係ないし、読み終わった後に記憶に残るものでもないのだ。読書の後に残るのは物語のイメージだけであり、読書中に自分の本体がどういう状況にあったか、などというのはその本の感想に全く影響しない。少なくとも自分にとっては。

ということで、本の媒体が紙だろうがPDFだろうが何でもいい。

話は変わるが、私は昔から旅行が好きではない。山育ちなので子供の頃の家族旅行は海に行くことが多かった。しかし、夏休みに家族で海に出かけてもホテルで寝ていた記憶しかない。親や兄弟は旅行好きなので遊んでいたのだが、その間私はホテルの部屋に引きこもっていた。何をしていたかというと、多分本を読んでいた。しかし、そのときに何の本を読んでいたのかは全く覚えていない。

何が言いたいかというと、読書の場所が特別だからといって特別記憶に残るような読書体験はできないということである。特別な記憶に残るのは、特別に面白い内容の本だからであって、「体験」は全く重要でない。

だから家で読もうが旅行先で読もうが、何ら読書の結果には影響しないのである。少なくとも自分はそうだし、これからもそうであると思っている。

こんなことを書いたのは、数ヶ月前に友人に貸した「バーナード嬢曰く。」の4巻が返ってきたので読み返していたからである。4巻では「読書の場所」「読書BGM」について書かれているのだが、そう言えば自分は読書の場所や環境を全く考慮していなかった、と認識したからである。

世間の数少ない読書家の皆様は読書体験を重要視するタイプだろうか?はたまた私と同じく、内容以外気にならないタイプだろうか。