ペン一本と、メモ帳

好きなものを好きなだけ

最近見た海外ドラマの話

「ウエストワールド」という海外ドラマについて今回は書いてみる。

あまりに暇だったのでシーズン2まで一気見した。感想はというと「深いようでそうでもない、なんか雰囲気かっこいいSFっぽい作品」である。
もう少し具体的に書くと「人間そっくりのアンドロイドが自我を持って云々」という話である。

タイトルの「ウエストワールド」というのは、アメリカの西部開拓時代のこと。いわゆる西部劇の世界に入って、ゲームのようにクエストをこなしたり、冒険したり、無双したり、現実ではできない犯罪行為の数々を体験できるというアトラクションがウエストワールドである。このウエストワールドの管理者、プレイヤー(ゲスト)、西部劇内でのキャラクター(ホスト)の視点で物語が進んでいく。

…なのだが、現実世界とウエストワールド世界でストーリーが同時進行する上に、時間軸もバラバラなので難解である。ホストは、ゲストに殺されたり、シナリオ上の都合で死んだりするたびに記憶がリセットされるので、ループもののような演出もある。(本気で見る回を間違えたのかと思ったことが二度ほどあった)
さらに登場人物の精神世界も度々出てくるのでもうどれが現実なのかわからなくなってくる。後半になるにつれて哲学的な内容も入ってくるので、難しい話が苦手な人にはおすすめできない。人間もアンドロイドも次々死ぬのでグロが苦手な人にもおすすめできない。あと人形、生身を問わず全裸が多いので、家族の前で見るのもおすすめできない。

じゃあどんな人におすすめなのかというと、グロい海外ドラマが好きな人か、アメリカの西部開拓時代に関心のある人、といったところか。見終わってから知ったのだがこのドラマ、アメリカではかなり人気らしいが日本ではほぼ知名度がないらしい。納得である。だってアメリカ人が好きそうな内容しかないんだもの!一応、シーズン2では「ショウグンワールド」という日本の江戸時代をモチーフにしたテーマパークがでてきて、日本人の役者さんも出てます。突然の日本語にちょっと笑いました!w

筆者は当初、ウエストワールドはVRのようなものだと思っていたのだが、どうやら実物の島(?)に街を作りそこにアンドロイドを配置して、ゲストに壊されるたびに地下にある施設で修理して…という設定らしい。しかも街はいくつもあり、砂漠も草原もあり、ネイティブ・アメリカンが住む荒野がありと、とんでもなく広い。実際にやったらアメリカの国家予算の数年分は軽く消費しそうなので、作中のようにいち民間企業ができるとは思えない。
あと100年前のリボルバー拳銃とマシンガンの威力が同じなのはおかしい。

そしてメインシナリオは「人間におもちゃにされていたアンドロイドに自我が芽生えて、人間に復習するようになる」というよくある感じのやつである。ブレードランナーをテレビドラマ2シーズン分に薄めた感じの話なのだ。はじめは人間だと思われていた人物が実はアンドロイドだった…みたいな描写も見たことあるし…。

ツッコミどころは色々あるのだが、このウエストワールドを運営している会社の雰囲気がどことなくSCPっぽくて良い。特殊部隊も持ってるし。
世界に公表できないテクノロジーを大人数の企業が運営してるというのが厨ニ心にヒットしてしまう。しかも作っているのが人間そっくりのアンドロイドという絵面が、なかなかグロテスクかつ神秘的で良い。しかもCGではなくちゃんと実物模型を使っているところも、ドラマの割に見応えがある。

それと、ウエストワールドに遊びに来たゲストの行動はリアルっぽくて良かった。はじめは善良な行動をしているが、世界に慣れてくると次第に残虐な行動に出るようになる辺りが。

そして役者さんたちの演技がすごい。特にドロレス(ヒロイン)役の人。
メンテ中のアンドロイドの無機質無表情から、日常生活での自然な表情、反逆を決意したときの怒りの表情など、とにかくコロコロ変わる。すごい。あとアンドロイド役の人は皆服を脱ぐ。役者根性がすごい。

と、細部は凝っていてキャストも豪華で見ていて楽しいのだが、最初にも書いたように時系列と視点が入り乱れるので理解は難しい。しかも「人間に反逆するアンドロイド」という使い古されたネタなので、SFに慣れてる人には物足りないと思われる。

上記の理由から、人におすすめするのは非常に難しい。直接すすめることができないのでこうしてブログに書いている。もし、とんでもなく暇な人がいたら見てほしい…くらいの作品だった。