ペン一本と、メモ帳

好きなものを好きなだけ

ゲランの夜間飛行について語りたい

最近、香水沼にハマりつつある。とは言っても自分の場合、沼に入ってもすぐに出てきて別の沼に行くパターンが多いので今回もそうなのだろうと思っている。なぜなら沼の入り口で「これを手に入れておけばOK」というものを手に入れるから。今回は、そんな香水沼の入り口で「最後に行き着く香り」と言われる香水を買ったので、そのレビューをしてみる。ちなみに夜間飛行がどういう経緯で作られて…というのは他のサイトやブログでたくさん書かれているので、今回は割愛することとする。

購入した経緯はなぜかエッセイ風になったのでnoteに投稿してみた。

note.com

もし暇だったら読んでほしい。できれば「スキ」もつけてほしい(強欲)

香水に詳しい人が書いているレビューを見ると「トップノートがどうの」「ナルキソスの香りがなんたら」みたいな表現をしているが、実際なんの香りなのかというのは分かりづらい。ということでもっと具体的に香りの感想を書いてみる。しかし、あくまで一個人の感想であることを念頭においてほしい。

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この美しい、箱に入ったボトルを見てほしい

中央の金色の部分には、夜間飛行のフランス読みである「ヴォルドニュイ」という文字が刻まれている。かっこいい。

夜間飛行ってどんな香り?

最初に感じたのはお香の香り。この香水には線香にもよく使われている白檀という樹木が使われている。これが「お香感」の正体だと思う。他にも花やら何やら色々な香料が入っているので、お寺や仏壇をイメージするお線香よりは、甘みもありすっきり感もありという複雑な香りなのだが、最初に感じるのはやっぱり「お香」だった。

BAさん(香水売り場の店員さん)は「苔むした森の中の香り」と表現していたが、そう言われると森林浴をしているような清々しい気分になる香りでもある。木の香りがベースに入っているので森林の香りになるのも納得である。

レビューサイトや香水系ブログでは「おっさんの香り」とか「おばあちゃんのにおい」とか言われていて、賛否両論らしい。確かに最近のブームである石鹸やフローラルなどの香りとは全く違う。

自分は香水レビューでよく言われている「おじさんのトニック臭」というのがどんなニオイなのか知らないので、おっさんやおばあちゃんのイメージはなかった。やはり森林やお香のイメージが強い。この辺りは個人の経験や記憶によるところがあるので、万人がどう感じるかはわからない。少なくとも「自分はそう思った」というだけである。

で?いい香りなの?

こればかりは人によるとしか言えない。自分は良いと思ったから買ったし、今のところ毎日つけている。買ったときの箱に入れて保管しているが、箱を開けるたびにいい香りがふわっと広がるのでとても癒やされる。そう、夜間飛行は癒やされる香りなのである。

決して「異性にアピールしたい」とか「いい印象を残したい」ために着ける香りではない。もっとも、自分の購入したのはパルファムなので他人に香りがわかるほど拡散しない。パルファムとはフレグランスの中でももっとも香料の割合が多いというもので、購入する前のイメージではとても香りが強いものだと思っていた。しかし実際(夜間飛行しかパルファムは持っていないが)は自分ですらほとんど認識できないほどかすかな香りかたをするものであった。たくさんつければわかるのかもしれないが、腹部やみぞおちに1滴着けるだけで十分香ると思う。

あくまで「自分がリラックスするために」着ける香水である。

流行りの香りではないし、万人受けはしないので、人にプレゼントしたりおすすめするような香水ではない。が、自分のようにお香や森林の香りが好きな人は気に入ると思う。

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ブラウンの香水瓶の後ろにあるのが、夜間飛行の単行本