昔は化粧をするのが嫌だったが、最近はデパコスめぐりをするようにまでなった。これは大きな進歩だと思う。ネイルもするようになったし、髪も伸ばした。
でも時計やサングラスの小物はメンズ。そんな感じ。
世の中、女性でもメイクをするのが嫌いだったり出来ない人がいる。出来ない人はともかく、嫌いな人にメイクをすすめるのに「非常識」だとか「マナー」だとかで諭すのは逆効果だと思っている。 自分がそうなのだが、「メイクをするのが社会人としてのマナー」とか言われると逆にしたくなくなるものだ。
30目前になるまでほぼすっぴんで仕事に行っていた人間が、ちゃんと化粧をするようになったのは友達の結婚式に呼ばれたのがきっかけだ。それまでちゃんとした化粧品を持っていなかったのでデパートで一式そろえた。
高級な化粧品を買うと、人とはなんと単純なもので自信がつくのである。「自分はこれだけ顔面に金をかけているのだ」という事実が自信になるのである。そうすると、メイクをするのが楽しくなる。毎日の15分くらいの習慣で、自信を持って外を出歩くことができるのである。全く不思議な精神である。
あとは30歳という年齢と、周りの環境もあったかもしれない。
20代の頃の職場はおっさんばかりで、身だしなみにそれほど気を使わなくてもよかったが、転職先の職場にいた女性がやたらオシャレで、ブランド物で身を固めているバリバリのキャリアウーマンという風情の方だった。 そういう人と一緒に働いていると、あまり見た目に気を使っていなかった自分が恥ずかしくなってくる。経済的な変化があったものあるが、それからはアクセサリーを身につけるようになったり、ちょっと高い化粧品を持ち歩くようになったりしたものだ。
というわけで、北風の太陽の如く、メイク嫌いな人に無理やりマナーだなんだと言っても意味がないのである。むしろ逆効果である。人が変わるきっかけって、身近な人の影響だったり環境の変化だったりするものだ。
だからまぁ、すっぴんで仕事をしている人がいても無理に勧めないほうが良いよ、という話であった。