ペン一本と、メモ帳

好きなものを好きなだけ

反出生主義について

実家に帰るといつも言われることがある。 「結婚しないの?」 「そろそろ孫がほしいんだけど」

こういうことを言われている人は多いだろう。残念ながら結婚も子供も一人ではできない。そして、私は一人が好きなのである。

最近思いだしたのだが、自分は反出生主義者であった。思い出したというのは、前に本か何かで反出生主義について知って「なるほど、自分はこの考えに賛同できる」と思っていた事を最近まで忘れていたからだ。ブログだったか何かでその言葉を見て、自分が反出生主義出会ったことを思い出した。まぁ、日常で使うことはほぼない言葉だし、忘れていたのも無理はない。

一応説明しておくと、反出生主義とは「出生(子どもをつくること)に反対する」という主義、思想である。 え、それじゃあ人類はいずれ絶滅すると思うじゃん?反出生主義の人たちはそれでいいと思っている。なぜなら、人生は苦痛であることのほうが多いからである。まぁ現実問題、子どもをほしいと思っている人は一定数いるだろうし、そういう人たちに「子どもを作るのはやめろ!」なんて言うつもりもない。主義はあくまでただの主義だ。

そこで冒頭に戻る。 親からの「結婚しなさい」「子ども作りなさい」というプレッシャーに対して「反出生主義だから子どもを作るつもりはない」この一言で論破できることに気がついたのだ。 やったぜ。長年、「うーん、無理だから弟に期待して」「多分無理だからペットでも飼ったら」とのらりくらりと躱していたが、たった一言で「孫産め」を封殺することができるわけだ。

と思って先日実家に帰省した際、案の定「結婚しないの?」攻撃にあったので言ってやりました。結果は……
「そんなこと言わないでよー」
でした。……うん、分かってないわこりゃ。

反出生主義について

「日本は少子化なのにそんな事言うのはおかしい」と思う方もいるだろう。日本の問題は少子高齢化、つまり世代の偏りなのであって、人口自体は1970年から比べると3000万人くらい増えているらしい(Google先生調べ)。だから人口が減ることが必ずしも問題ではない。むしろ今の日本の人口は多すぎると思っている。 人口のバランスは時間が経てば(つまり今多すぎる老人世代がいなくなれば)解決するのである。地球の人口は70億を超え、そろそろ食料不足が心配されている。世界の人口は50億くらいまで減ったほうがちょうどいいのではないだろうか。全てのモノが増え続ければ、成長を続ければいいということでもないし。文明の進歩も時には停滞するときもあるだろう。先進国では出生率が減っているらしい。それって社会精度や個人の問題ではなく、人類という種としての本能が「これ以上増えるとまずいぞ」と無意識に人口増加にブレーキをかけているのではないだろうかと考えたりする。

だからというわけではないが、私は反出生主義なのである。人類は生まれない方がよかったのだ。すべてのものはいつか消滅する。国のために子どもを作れなんて馬鹿な主張を真に受ける必要は全くないし、親が期待しているからなんて理由で子どもを持つべきではない。もちろん、本人が子どもをほしいと思っている場合には全然構わないのだが。社会のため、日本のため、親のため、とか誰かのために子どもを持とうとする人に対しては私は疑問に思っている。本当にそれでいいと思っているのか?自分の人生を、自分以外の誰かの意見で決めるべきなのか?

私は一人が好きだ。今後の人生でパートナーができることもないだろう。私の人生は確かに親からもらったものだが、自分のものなのだ。自分のものである以上、好き勝手に生きて好きに死んでやるつもりだ。