ペン一本と、メモ帳

好きなものを好きなだけ

通販もいいけど、たまには外に出てみる

通販でも買えるものをわざわざ店に行って買いに行く必要があるのか。全部通販でいいじゃんという人の主張が理解できる一方で、実店舗で買い物をすることの意義について考えていた。
というのも、先日買い物をしに、とあるお店へ出かけたのである。店名をあえて出さないのは、購入したものが実にくだらなく実用性もなく、自己満足以外のなにものでもない物だからである。

とにかく、前からほしいと思っているものがあったので通販サイトを見ていたのだが、いまいちピンとくる商品がなく、実店舗までわざわざ行くことにしたというわけだ。

普段は通販ばかり使っているので、たまに実店舗にいくと実物の品物をあれこれ見ながら比較して買うものを決めるという体験はなかなか楽しいものだなと思った。通販サイトを見ていたときは全く選択肢に入っていなかったものでも実物を見るといいなと思えてきたり、逆にスペックだけ見て気に入っていても、実物を見るとサイズ感とかがいまいちイメージと違ったりすることがある。

通販だったら、注文さえしてしまえば多少イメージと違ってもまあいいかと思えるし、かごに入れてみてやっぱりやめる、ということもできる。しかし実店舗で色々と見比べていると、いつのまにか真剣に購入を検討している自分に気がついた。

それに店員さんに雑談を交えて相談しながら品物を決めるというのはなかなか楽しかった。逆に店員に声をかけられるのが苦痛というときもあるのだけれど、そのときは店員さんがいい人だったのか自分のコンディションがよかったのか、見知らぬ人との会話は苦ではなかった。「外雨ふってますか?」「まだ大丈夫ですねー」とかどうでもいい情報もやりとりしていると、いつの間にか以前からの知り合いみたいな気楽さで会話していた。そうして店頭に出ていない品物も見せてもらって、実際手にとって見ることができるのは通販にはない強みである。

結果的に気に入ったものが手に入って満足している。ちょっと予算オーバーだったが、まぁ良いかなと思える程度には気分のいい購入体験だった。これなら、通販と同じ値段の場合、実店舗で店員さんのおすすめを聞きながら購入したほうが結果的にはお得なのではないだろうか?とも思えてきた。

たとえば、高価なブランド品を馬鹿にする人がいるけれど、有名なブランド店はスタッフの教育も素晴らしいのであれこれ相談しながら買うという体験も含めれば十分に値段に見合った価値があると思うのだ。(もちろんロゴ代はそれなりなんだけれども、それは考えるだけ野暮というものだ)

例をあげるとするならアップル製品かな。高いイメージがあるし、アップルストアはおしゃれで敷居が高いし、通販でも手に入るものだけれども、スタッフは実に優秀である。自分で必要なスペックや色やサイズを決められるなら通販でも十分だけど、同じようなスペックの製品とどちらにしようか迷ったときはプロに聞いたほうが、確実に自分にあったものが手に入るだろう。Macだって高いというイメージがあるけど実際同じようなスペックのWIndowsPCとくらべてもそんなに差はないし、アップルストアのスタッフは製品知識が豊富なので色々教えてもらえる。というわけでたまにアップルストアに行くと(何も買う予定がなくても)いろんな情報が手に入るのでお得感がある。そのサービスが提供できるのも大きなブランドだからだろう。

近くに店がないという場合はともかく、せっかく行動圏内に店舗があるなら実物を見てから買ったほうがいい体験になるのではないだろうかと思った。良い店員さんに当たったときの購入体験はプライスレスだ。

この前ヨドバシの店員の対応が話題になっていたが、まさにあんな感じ。あれをネットでも同じような体験ができるようになるには相当時間がかかると思われるので、まだまだ実店舗の存在意義は残されているのだ。たまには外に出ようかな。